7月のおだいしさまのことば
本文はお大師さまが師である恵果阿闍梨(けいかあじゃり)の人柄を讃えた文の一節です。恵果阿闍梨の教えを受け「満ち足りて帰った」者はお大師さま一人ではありませんでした。その人に会って心が満たされ明るくなったとか、今までの疑問が氷解したという経験を持つ人は少なくないと思います。逆に、その人に会ってから気持ちが落ち込み、憂鬱になる場合もあります。この差はどこから来るのでしょうか。自分の至らなさでしょうか。そうではなく、会った人の人格によるのです。
恵果阿闍梨の人格をお大師さまは次のように表しています。「財を積まざるをもって心となし、法を惜しまざるをもって性となす」私腹を肥やさず、仏教を伝えることに熱心であった。また、「寒さ暑さを経験しても苦しいとは言わなかった」とも讃えています。
強靱な心と体を養い、周囲を明るくする人になるよう努力を重ねたいものです。