9月のおだいしさまのことば
お大師さまは衆生の心を十段階に整理し、動物的な本能によってのみ生きる段階から、仏道の理想状態に至るまでの様子を説いています。大切なことは理想に到達するためには、それに至るまでのそれぞれの状態を総合することが必要であり、総合される各段階の心は決して無意味なものではないということです。
さて、日々の生活の中で誰かに嫌なことをして相手に不安を与えたり、自分自身が不安になり心が落ち着かなかったりする時があります。この心情は仏道の理想とは程遠いものです。しかし、仏さまのような心になることはできないと決めつけず、まず自身の今の心を見つめてみましょう。私たちの中には必ず仏の心が存在します。今の心のあり方は人それぞれ異なりますが、仏道の目指す理想、仏と一体になるための活動に心を向けてみましょう。