10月のおだいしさまのことば

解説
お大師さまは、自身が24歳の時に出家宣言書ともいわれる『三教指帰』を著しました。その中でお大師さまは、儒教と道教、異なった考えを主張する二人を、それぞれの考えを容認しながら仏教信仰へと導きました。
私たちは、多くの異なる考えを持つ人々と暮らしています。最近では、東京オリンピック開催の是非、新型ウイルスのワクチン接種に対する考え方など例を挙げたらきりがありません。インターネットなどで様々な情報が瞬時に世界中へ広がる時代です。自分の考えを正しいと主張し、それを強要するのではなく、他の意見を聞いた上で、総合的かつ冷静に判断することが求められているのではないでしょうか。
お大師さまは儒教や道教を否定することなく、良い点を認めながら、より優れた教えとして仏教を広めることに尽力したのです。私たちも柔軟で寛容な姿勢を大切にしたいものです。